2020/06/19
7月1日から青梅市特定健診が開始されるにあたり、健診の重要性や生活習慣病の管理の大切さをお伝えするために当院の医師が執筆した健康診断関連の論文を2つ紹介します。
1つ目は田中文隆医師が執筆に関わり、2018年に海外の学術誌『American Journal of Hypertension』に掲載された論文です。
Prognostic Value of Electrocardiographic Left Ventricular Hypertrophy on Cardiovascular Risk in a Non-Hypertensive Community-Based Population.
Tanaka K, Tanaka F, Onoda T, Tanno K, Ohsawa M, Sakata K, Omama S, Ogasawara K, Ishibashi Y, Itai K, Kuribayashi T, Okayama A, Nakamura M; Iwate-Kenco Study Group. Am J Hypertens. 2018 Jul 16;31(8):895-901.
岩手県の健康診断受診者のうち血圧がさほど高くない方を対象とした研究で、心電図の所見が、隠れ高血圧を反映することで、将来の脳卒中や心臓病の危険を察知するのに役立つ可能性を示したものです。
心電図検査は簡単かつ短時間で行うことができます。心電図は病気の診断やリスクの評価にとても有効です。
12誘導心電図検査は7月からの特定健診の項目に含まれております。皆さん、将来の心臓病を予防するために特定健診を受診しましょう。
2つ目は古味良亮医師、田中文隆医師が執筆し学術論文『Hypertension Research』に掲載された論文です。
Burden of high blood pressure as a contributing factor to stroke in the Japanese community-based diabetic population.
Komi R, Tanaka F, Omama S, Ishibashi Y, Tanno K, Onoda T, Ohsawa M, Tanaka K, Okayama A, Nakamura M, Iwate-Kenco Study Group. Hypertens Res . 2018 Jul;41(7):531-538.
この論文は、糖尿病患者さんの脳卒中(脳梗塞、脳出血)発症に、血圧の高いことが大きく寄与していることを証明した論文です。糖尿病の患者さんの数は年々増加しており、2017年厚生労働省の報告では328万人と報告されております。脳卒中を予防するためには、血圧の管理が大変重要です。特定健診には血糖値とHbA1cの項目、血圧測定が内容として含まれております。糖尿病の診断を受けた方は血糖コントロールも勿論大事ですが、血圧にも注意していきましょう。